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プレス加工メーカーのカーボンニュートラルを手助けするSEYIサーボプレス
カーボンニュートラル実現に向けた課題 |
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「省エネルギー、環境負荷低減」の概念は数十年前まで遡ることができ、決して新しいものではない。2015年にますます深刻になっている地球温暖化の防止に向けてパリ協定が採択されたが、採択後7年が立ち、経済発展の成長や人口増長によるエネルギー消費の増加により、温室効果ガスの排出量削減に取り組むも、排出量が依然として増加している。それに対して、近年130か国が2050年カーボンニュートラル目標の実現を表明し、より前向きな姿勢で極端気象や環境保全に関する問題に臨み、関連政策・法整備を行ってきた。各産業もカーボンニュートラル意識の強化、人為的活動による温室効果ガス排出を最小限にすることに取り組んでいる。企業にとって温室効果ガス排出は、自社工場内だけでなくその上流・下流のサプライチェーンも含んでいる。原材料調達から、製造プロセス、製品出荷までライフサイクル全体のカーボンニュートラルを考慮し、製品のカーボンフットプリント(CFP)の算出、自社のCO2排出量確認を行う必要がある。これはすべての業界の課題である。
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プレス加工が最も使われている自動車産業では、電気自動車(EV)の潜在発展力がプレス加工メーカーに革命的な挑戦をもたらした。EVはグリーン輸送システムの中心になり、長期的な視点から見ても高成長が続くと予想される。自動車メーカーにとって、カーボンニュートラルに向けて、各車メーカーが車体軽量化開発にリソースを注ぎ、純電気自動車、新エネルギー車の投入日程を加速しなければならない。 |
車体軽量化では、航続距離と安全を両立するため、ハイテン材、金属合金、炭素繊維をはじめとする複合材料などの軽量化材料は車体パネルに使用されるが、その成形難易度や成形性は従来の鋼材より難しく、プレス加工製品精度と生産性を確保することは重要な課題になっている。サーボプレスは、サーボモータによりスライドの動きと速度を精密に制御できるため、従来プレス機より難成形材の加工に適している。例えば、ホットスタンピング(ホットプレス)では、サーボプレスの長時間の下死点保持により、高温加熱したハイテン材に十分の成形時間を確保し高い成形性が得られる。 |
SEYIサーボプレスの省エネ性と優位性 |
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良いプレス機とは、既存の生産プロセスを最適化でき、より少ない設備で生産効率の向上を図ることが出来ることである。「省エネ、省スペース」をコンセプトとし開発されたSEYIサーボプレスは、様々な加工法や産業体制に対応し、お客様の異なるニーズに応える。SEYIサーボプレスの主な特徴を下記に述べる。
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1. ダイレクトドライブ機構 「省エネで環境にやさしい」をコンセプトとし開発されたSEYIサーボプレスはフライホイール、減速機を無くして、駆動軸とサーボモータを直結させたダイレクトドライブ方式により、精度とエネルギー効率アップや速度の向上、ストローク長さの最適化、振動低減が可能になり、製品品質、生産性の向上に貢献できる。 |
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2. 社內開発設計のサーボモータ 社內開発のプレス機専用サーボモータは、スライドの動きと速度を高精度に制御することが可能。また高回転のモータとは違い、減速機を要らずエネルギーロスを低減できる。さらに、低速・高トルクの特性を持ち、ハイテン材、アルミ材などの難加工材の成形に対応する。スライドモーションの活用により、スプリングバックの抑制や金型摩耗の低減が可能。
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サーボモータの電力回生機能:従来、モータ減速時に発生する電力を抵抗器で消費し、エネルギーのムダになっている。そこで、コンデンサ(キャパシタ)によって、サーボモータ減速時に発生する回生電力を蓄えて、電力を回収・再利用します。従来の油圧プレスに比べ、消費電力が約3分の1になり、電気代コスト、CO2排出の大幅削減にもつながる。また、空冷式によるモータ冷却システムを採用。水冷システムの増設とその消費電力のコストを節約できる。
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3. 電力平準化 PUユニットにより、プレス加工時に発生した瞬時電流を抑制し、1次側の電流を平準化する。 |
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4. 作業環境の改善:騒音の大幅低減 サーボプレスの最大特徴の1つであるスライド動作、速度を自由に設定できる特性の活用により、サーボモータによるモーション制御で非加工域のスライド上昇・下降を速くして、全体の加工速度を最適化することで生産性向上と品質改善につながる。サーボプレスは停止、上昇、下降、加減速など任意のスライド動作が可能。例えば、スライドを加工時に遅くして、加工後に素早く上昇させることにより、騒音レベルは従来プレス機に比べ15dB以上と大幅減少。さらに金型寿命の向上、作業環境の改善が可能となる。 |
おわりに |
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各国政府がエネルギー消費の高い工業、製造業を対象に省エネ補助と助成計画を制定した。台湾では製造工程改善、エネルギー転換、循環経済の3つの方向から取り組んでいる。うち製造工程改善は老朽化した設備の入れ替え、企業が省エネルギー設備でCO2排出量削減と生産性を確保することを推奨・助成している。一方、ドイツでは数年前から製造業を対象とした省エネ投資促進補助金制度を始めている。一例としてSEYIサーボプレスを導入したあるドイツ顧客は、サーボプレス導入のイニシャルコストが高いが、生産効率向上と消費電力削減(電力回収再利用)により、10年間の収益は従来の油圧プレスの5倍になっている。この事例からも、当社は環境にやさしいグリーン製品の開発に一層取り組んでおり、自社工場のCO2排出削減に努め、前向きでサステナビリティ経営の姿勢で、より良い環境づくりのためにお客様とともに取り組んでいく。 |
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サーボプレスの省エネの詳細は、雑誌 "Asia Pacific Metalworking Equipment News" の記事で詳しく紹介されている。こちらをご覧ください。 ASIA PACIFIC METALWORKING EQUIPMENT NEWS - HOW SERVO TECHNOLOGY BENEFITS MODERN AUTOMOTIVE INDUSTRY
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